Posted on

【本革学校】動物による違い

本革は、食肉として人類の生命維持に寄与頂けた副産物として生まれた、天然物をそのまま最大限利用する環境に適応した素材です。
豊かな自然と、生命の恵みに感謝して日々精進しております。

動物は種類によって、大きさや姿形も違いますが、その革質もさまざまです。

物流量とサイト運営上の理由から、レザー姫路本陣のサイト上では牛革のみの取り扱いになっていますが、
他の種類の革種も取り扱い可能なものが多々ございます。必要な場合はお問合せくださいませ。

▼牛

革素材として利用頻度の一番高く安定的に供給される皮革です。
使用用途も多岐にわたり、幅広い革製品で使用されています。

牛の月齢や雄雌などにより、種類が異なります。

カーフ – Calf –
キメの細かな吟面が美しい牛革の最高級素材
生後6カ月以内の仔牛の革。生後間もないため、生活による傷が少なく、 赤ちゃんの肌のようなキメの細かさ、滑らかな繊維を持つのが特徴です。 1頭から採れる量が少なく、表面のキメ細やかさから、高級品とされています。

キップ – Kip –
美しさと使い勝手の良さを両立させた高級品
生後6か月から2年以内の牛の革。 表面の滑らかさ、キメの細やかさはカーフには劣りますが、 革が厚く強度がある為、鞄など表面の美しさと 強度が求められる物に使用される場合が多いです。

ステアハイド – Steer hide –
一般的な牛革です
生後2年以上の雄の牛を生後3か月から6か月の間に去勢した雄の牛革です。去勢することにより、争いを避け、革自体に傷が残らないようにするのです。成牛のため、とれる量が大きい為、最も利用されることが多い皮革です。

カウハイド – Cow hide –
非常にバランスのとれた牛革です
出産を経験した生後2年以上の雌の牛です。厚さやキメの細かさ、強度などは、キップとステアの中間であり、比較的大きな量が取れる為、大型のジャケットや鞄などに利用されることが多いです。

ハラコ – Unborn calf –
生まれる前の牛の革
死産になってしまった胎児や、生後間もない仔牛の革。細かく柔らかい毛が密集しているのが特徴です。取れる面積が少ないうえに、流通量が少ないため、希少性の高い皮革です。

▼馬
コードバンと呼ばれる馬の臀部は、繊維が緻密で美しいことから、ベルトや財布、靴などで重宝されています。
1頭から採れる量が少ない為、高級素材とされています。

▼豚
通気性に優れ、バッグの内装や靴の中敷きなどに使用されることが多いです。
薄くて軽い、さらには摩耗にも強いのも特徴です。スエードに仕上げたピッグスキンなどは人気が高く、肌触りの良さから様々な製品に使用されています。

▼羊
薄くて柔らかく、毛穴によるキメ細かさが特徴的です。
断熱効果も期待でき、防寒具として使用されることが多く、ムートンとしてコートなどに使用されることが多いです。

※生息環境によっての違い

同じ種類の動物でも、生息環境によっても革質が異なります。
建物内や、紐や鎖で繋がれて飼育されていた場合は、擦れキズなどが多いです。
また、寒い地域で育った動物は革が厚く、熱い地域で育った動物は革が薄い傾向にあります。

薄い革は厚くすることはできませんが、厚い革は薄くすることも可能なので、
寒い地域で放牧されて育った動物の革が、高級とされています。