用語辞典(本革加工)

【原皮】
動物の皮で、輸送が簡単にできるように塩漬けにして乾燥させたものをさします。生皮とも呼ばれ、皮の腐敗を防止処理しただけのものです。これをなめし(鞣し)加工することにより皮が革と呼ばれるようになります。

【なめし(鞣し)】
生ものである皮はそのままにしておくと腐敗したり劣化したりします。そうした皮を利用できるように、腐敗や劣化から防ぐ加工技術のことを指します。また、単なる保護だけでなく、耐久性を持たせるほか、革製品として利用できるように必要な作業のことを総じてなめし(鞣し)と呼びます。

【タンニンなめし】
皮革のなめし方法の中でももっとも伝統的な方法です。「渋なめし」「植物なめし」とも呼ばれる皮をなめす方法で、植物に含まれている「渋(タンニン)」には、皮に含まれているコラーゲン成分を結合させる働きが
あります。このため、タンニンなめしをすることで、皮の繊維組織を固くして、性質を安定させる効果があります。

【クロムなめし】
合成剤(硫酸クロム、重クロム酸ナトリウム、クローム塩など)を利用した化学的な方法によるなめし法です。科学的な方法によるなめし方法で、タンニンなめしとよく比較されます。現在の革製品の多くはこのクロムなめしによりつくられています。柔軟性かつ伸縮性をもち、熱に強い革として利用できます。

【混合なめし(コンビネーションなめし)】
タンニンなめしとクロムなめしという二つのなめし方法を文字通り混合して行う方法です。両方のなめし方法のいいとこ取りをしようとした加工法です。クロムなめし→タンニンなめしの順で行われるのがコンビなめし、タンニンなめし→クロムなめしの順でおこなわれるのが、逆コンビなめしと呼ばれます。

【オイルなめし(油なめし)】
動物性の油(多くは魚油)を使って皮をなめすことをさします。 特に柔らかい革に加工するために使われ、代表的なオイルなめしの革として「セーム革」が挙げられます。魚油または動物油がつかわれることが多いです。

【ドレッシング(毛皮鞣し)】
毛皮のなめし加工のこと。加工前の毛皮から余計な毛や脂肪などを取り除きます。さらに、薬品を使って毛皮がもっているしなやかな毛並みや光沢を引き立たせる作業のことを指します。ちなみに、こうしたドレッシングを行う業者をドレッサーと呼びます。

【吟つき革】
吟とは吟面と呼ばれるように「革の表面」のことをいいます。吟つき革とはこの革の表面を活かしている純粋な革のことを指します。皮をなめして染色しただけの革で、本染め革とも呼ばれます。分厚い革をスライスしたものの内一番上の革を吟つき革といいます。

【ガラス張り革(ガラス革)】
主に牛革においてなめした革をガラスやホーロー板に貼り付けて乾燥させ、吟面(革の表面)を平らにサンドペーパーで擦り、その表面を合成樹脂等で塗装して仕上げます。塗装されることにより革がより堅牢になり、汚れなどにも強くなるため、靴やバッグなどに使われます。ガラス革とも呼ばれます。

【ヌメ革】
タンニンなめしを施しただけの、染色・塗装がされていない革のことをいいます。革そのものの風合い、味わいが魅力です。広義にはタンニンなめしで作られた牛革全般をヌメ革ということもあります。高い強度と長く使うほどなじんでくるという革製品の魅力を併せ持っています。

【タンロー】
タンニン鞣しのローケツ染めの略称。(ローケツ染めとは、一定の温度に溶かした蝋を生地にしみこませること)

【オイルレザー】
タンニンなめしをされた革にオイルをじっくりとしみこませた革のことを指します。こうすることで、内部にしみこんでいるオイルが染み出してきますので、ヌメ革と比較しても傷に強いという性質があります。着色されている商品が多いです。

【ブライドルレザー】
乗馬用の鞍などに使われているカウハイドを使った革です。非常に強い耐久性の他、ヌメリ感がある。カウハイドをタンニンなめしした後で、染色し、数ヶ月以上蜜・蝋をしみこませた革のことをいいます。蜜・蝋をしみこませることで繊維が引き締まり堅牢となり、また蝋により磨き上げられた美しい光沢が魅力です。

【スエード】
革の裏面側をサンドペーパーでバフした革のことをさします。ベルベット状に起毛させた革で、毛足が短く、ソフトなものほどより上質なスエードとされます。従来は子ヤギの皮であるキッドスキンが原料でしたが、
近年では、カーフスキンやピッグスキンなどが利用されています。

【ヌバック】
スエードが革の裏側をバフして起毛させているのに対して、革の吟面(表面)をバフしてベルベット状に起毛させた革のことを指します。牛革が用いられることが多いです。スエードと比べるとややマットな質感が特徴です。中でもシカの革を使ったものは「バックスキン」と呼ばれます。

【もみ革】
一般的にはなめした牛革を揉む事でシボ(シワのこと)をつける加工です。なめし加工をした革の吟面に折り目をつけていくことで、革本来のシボが現れます。

【シュリンクレザー】
なめし加工の途中に特殊な薬品を使うことで、吟面が縮みます。これにより、もみ革よりもさらに、シボ(シワのこと)が強調された独自の風合いが特徴です。

【型押し革(エンボスレザー)】
革をなめした後、吟面(革の表面)をプレスすることで独自の表現をつける加工法の事を指します。エンボスレザーとも呼ばれます。クロコダイル、トカゲ、ヘビなどの爬虫類を模したものが多いです。近年では、本物とそん色ないような品質の型押し革が流通しています。

【エナメル革】
エナメルと呼ばれるワニスと顔料を混合した塗料でこのエナメルを革の吟面に塗布したものを指します。独特のツヤをもつ光沢と硬質感が特徴で水をはじきます。ただし、温度変化に弱いという欠点があります。

【アイロン仕上げ(プレス)】
グレージング同様に加熱、加圧によりつや出しや平滑化効果を上げた革。尚、さまざまな模様の凹凸面を持つ金属板でのプレスにより型押し革となる。

【アドバン仕上げ(ブラッシュオフ)】
通常のラッカー上塗りを行った後、濃色で厚めのラッカー上塗り、もしくは、W/Oエマルジョンラッカー(ベール塗膜)を塗布。製靴工程において綿バフを用い、塗膜表面を研磨してベール塗膜を除去し、不規則に変化する色調の濃淡をつけて立体感を強調する仕上げ。

【アニリン仕上げ革】
塗膜の透明度が最も大きく、外観的に革本来の吟面模様の特徴を生かした仕上げ。着色剤は染料が主流。

【アンティーク仕上げ(ハイドステイン)】
吟面染料液を不規則な模様に塗布し、古風な雰囲気をつける仕上げ。

【裏貼り】
革の床面に別の素材を貼り付けること。革製品の場合、アメ豚や布地を貼り付けるのが一般的。裏貼りをすることによって、荒れた床面の肌ざわりをよくすることができるだけでなく、製品の強度向上やデザイン向上などの効果を得ることができる。

【オイル仕上げ(プルアップ)】
革表面にオイル感をもたせ、革を折り曲げたり表面に圧力を掛けた後に色の差が生じます。このタイプの革は、下地革の調整から仕上げに至る過程でオイル感を感じる様に処理されます。

【オイルドレザー】
動物油(主に魚油)を使って皮を鞣すこと。特別なソフトでしっとりとした革の製造に使用する。

【顔料仕上げ革】
ガバリング仕上げともいい、塗膜中に無機系顔料を主に吟表面のキズやむらを目立たなくする仕上げ。塗膜の透明度は最も少ない。

【グレージング仕上げ】
摩擦仕上げともいい、グレージングマシーンを使用する仕上げ。塗膜表面をガラスまたはメノウ等で往復運動して摩擦し、摩擦熱、加圧によりつや出しや平滑化効果を上げた革。

【撥水加工】
水が革の表面についた時、水滴としてはじかれる様な、革表面加工処理。加工剤としては主にワックス、シリコン化合物、フッ素化合物等が使用される。

【バニシング仕上げ】
焦がし仕上げとも言われ、革の表面を綿バフの摩擦熱で焦げる様に処理した革。通常のバインダー、顔料等の仕上げでは焦がし効果が得られず、タンパク質系仕上げ剤、ワックス、顔料、染料等を用いて仕上げます。

【パール仕上げ】
光が多重反射して真珠のような光沢の効果を示す仕上げ方法で、パールエッセンスには天然魚鱗と雲母を基材とした人工パールが利用されています。この仕上げは上塗りラッカー液中にこれらのパールエッセンスを加え、必要に応じて染料または透明性顔料で着色して使用。

【セミアニリン仕上げ革】
アニリン仕上げと顔料仕上げの中間的な仕上げ。吟面の小さなキズを目立たなくし、革表面の吟面模様を残します。

【サドルレザー】
馬の鞍に使う植物タンニン鞣しの厚みのある牛革。

【芯革構造】
表革と裏革の間に「芯」となる革を挟み込んだ構造のこと。芯が入ることによって、張りのあるしっかりとした作りになり、曲げられる力に強くなる。芯革を入れた部分はふっくらと盛り上がって見える。

【底革】
主に成牛皮をタンニン鞣しした、厚くて硬いなめし革。

【ダブルフェイス】
主に、ラム毛皮の肉面をスエードまたはナッパ調(羊・山羊皮からグローブや衣料用に柔らかく仕上げた革)に仕上げたもので、両面の利用が可能。

【ツートン仕上げ】
型押し革の仕上げに用いられ、型の凹凸を色の濃淡によって強調する方法。また、色だけでなく ツヤをだしてのツートンもある。

【トラ】
牛の首や足の付根など皮膚が重なる部分がなめされることによって現れる独特の模様のこと。主に首の部分によく見られる。独特の模様と一頭からわずかしか取れないというレア感、また経年変化にも違いが出ることから、トラの部分が使用された革製品を好む愛好家も多い。

【ナッパラン】
スエードやムートンのケバ面を塗装または、樹脂膜を張り合わせて表面の様に仕上げた革。

【ボーデットレザー】
吟面に手、または機械により軽くきざみ目をつけたり、軽いしわ加工や型押しを行い細かい線の模様を入れた革。揉み革ともいう。

【メタリック仕上げ】
革の表面に金属の光沢感を表現する仕上げ法で、各種方法がある。