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【本革学校】用語辞典(革靴関係)

【アイレット】
革靴の靴紐を通す部分。鳩の目という意味があります。鳩目とも。

【アッパー】
靴の形状における靴底を除いた上の部分のことを指す。製甲(せいこう)とも呼ばれる。靴におけるそのファッション性については、ほとんどがこのアッパー部分できまるとも言ってよい。表甲、裏甲、先芯、月型などで構成される。

【コバ(エッジ)】
靴用語として使われる場合は、革靴の縁部分のこと。アッパーとソールがつなぎ合わされる部分でもある(一部製法)

【ソール】
靴底全体のことをさす。ちなみにソールは「インソール」「アウトソール」「ミッドソール」に分解することができる。ただし、ソールという場合は靴底である「アウトソール」のことをさす場合がほとんど。

【トゥ】
つま先のこと。○○トゥという表現がされる場合はつま先の形状をさす。

【ヒール】
靴のかかと部分のこと。

【ベロ】
靴用語としては、靴甲部のアイレットの下にある泥除けのこと。

【メダリオン】
靴の装飾用につけられる穴飾りのこと

▼製造法

【グッドイヤーウェルト製法】
頑強・雨に強いという特徴がありますが、一方で重量があり製造に手間がかかるので価格が高い靴の製法です。アッパー部分(靴の上の部分)と靴底の部分をジョイントするときに、本底とアッパーを結ぶウェルトという部分で縫い付けます。こば(靴の内側ふまず上がりから、爪先方向を経由して外側のふまず上がりに至る縁)が張り出しており、縫い糸が見えるようになっているのが特徴。

【マッケイ製法】
甲革とソールをマッケイミシンによって直接縫い付けるタイプの革靴。製法名は機械の発明者によるもの。形状はソフトかつスマートでグッドイヤーウェルト製法と比較すると軽量です。一方で縫い目がソールにあるので水に対して弱いというデメリットがあります。イタリア靴などに多く見られる製法です。

【サイドステッチ製法】
甲革とソールを直接縫い付ける製法ですが、カップソールと呼ばれる縁がせり上がったソールを甲革にはめ込んで外周を縫い付ける方法。縫い目がソールに無いので多少の水には強いです。ビジネスシューズではなく、スポーツシューズに多く見られます。

【ステッチダウン製法】
カジュアル靴や雨靴に見られる製法です。甲革のふちを外側に広げて中底・ソールに縫い付ける方法。靴の内側には縫い目が無いので水に強いですが、甲革が全体を覆うようなデザインとなり不恰好なため、デザイン性を重視する靴に採用されることはまずありません。

【ラバー製法(セメント製法)】
安価なビジネスシューズはほとんどがこの製法です。甲革とソールを縫い付けるのではなく、糊によって接着したもの。縫いつけが無いので、靴底からの浸水はまずありません。大量生産が可能となっており、一般に販売されている多くのシューズはこのタイプです。